「上達」と「楽しさ」


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VIPに入るまで

私がスマブラに出会ったのは小学校4年生のことでだった。友達に誘われて家に遊びに行き、当時最新作だったスマブラXをやった。ここでの体験が楽しくて、のちにクリスマスプレゼントとしてスマブラXを買ってもらった。サンタさんはいます。

 

 

当時特別ゲーマーというわけでもなかった私だったが、(ゲームといえばマリオカートDSを時々やった程度。ポケモンダイヤモンドは殿堂入りしただけ)スマブラXは初めて私を「ゲーマー」にした。当時GCコンは持っていなかったのでWiiリモコン横持ちでやっていた。家では1人で亜空の使者を進めつつ、たまに友達を呼んでは乱闘をしていた。始めは終点のみアイテムなしといういわゆる「ガチ」なプレイをすることはなかったが、亜空の使者をクリアする頃にはWiiリモコン横持ちとはいえ基本操作は一通りできるようになり、スマッシュボールを叩くうちに空中攻撃の使い方も覚えた。スマブラXに出会うまでゲーマーではなく、当然参戦しているキャラはほとんど知らなかった私は亜空の使者をやっている際に「使いやすさ」を求めてトゥーンリンクにたどり着いた。

 

 

しばらくすると習得した操作技術を使って挑戦的なことに取り組むようになる。ボスバトルを全キャラでクリアしたり、オールスターを全キャラでクリアしたり。当時並行してはまっていたマリオカートWiiの影響もあって、ボスバトルはTAに挑んだりもした。この頃がスマブラ歴で一番スマブラをする頻度が高かったんじゃないだろうか。

 

 

さらに時間が経つと、さらに技術は習熟し(相変わらずWiiリモコン横持ちだが)、1人の時はボスバトル激ムズにも挑戦するようになった。結局クリアは敵わなかったが、「どうすれば勝てるか」を考えてプレイしていた。ホームランコンテストのデモプレイとして収録されているリュカの動画の完コピに挑戦したりもした。この動画内で小ジャンプが使われており、小ジャンプやスマッシュ攻撃はこの頃に習得した。これ以降、後にメインキャラの1人となるリュカを乱闘でも選ぶようになった。乱闘では自然と「終点スマッシュボールのみ」のルールに着地した。この頃には動画がまだ流行っていなかったことを考えると、それなりに上手だったんじゃないだろうか。

 

 

 

モンハンやイルルカにはまっていた中学校生活もいよいよ受験生目前となった中2の冬、スマブラforWiiUが発売された。スマブラ3DSはスルーし、時期の噛み合ったWiiUをクリスマスにもらった。サンタさんはいます。アドベンチャーモードのないforでは、シンプルを主に、たまに友達を呼んで乱闘をしていた。リュカがDLCで追加されるまでいなかったため、「見た目が似ているから」という理由でネスを使うようになった。

 

家のPadを使ってYouTubeでネスの動画を漁っていたを見ていたある日、当時のウメブラの動画にたどり着いた。それを見てXのホームランコンテスト同様に真似しようとした私だったが、Wiiリモコン横持ちでは「反転空後」や「降り空上」ができないことに気付き、WiiUゲームパッドを使うようになる。同時期に同じことにたどり着いた何人かの友達も同様にWiiUゲームパッドを使っており、WiiU1台につき1台しか使えないためそろってHORIクラコンを買ったのだった。

 

 

そろって同じ結論にたどり着いた私と数人の友達だったが、プレイ時間は友達の方が長く、うまかった。動画の影響から「ガチ対戦」を真似て終点アイテムなし1on1をやるようになったが、友達に勝つことはなかった。勉強や運動と何かと要領の良かった私に対して、友達は圧倒的なプレイ時間と動画研究で対抗してきた。元々できていた小ジャンプに加え、反転空後、降り空上をマスター、果ては簡単なダウン連に至るまで習得した私だったが、圧倒的なプレイ時間を持つ友達に勝つことはなかった。しかし、緊迫した勝負はとても楽しく、そうしているうちに今に通づる「ガチ勢」としての基本操作を習得したのだった。

 

 

ウメブラの動画以降ガチ界隈に興味を持った私は、時折ウメブラの動画を見たりしながら高校に入学した。たまたま高校でスマブラ界隈に興味を持っている人に出会い、大阪でもオフライン大会があることを教えてもらった。意を決してまずスマバト対戦会に参加した。当然歯が立たず、一日中ボコボコにされたのだが、それでも初めてのオフライン対戦会は楽しかった。これ以降時折オフ大会に参加するようになるのだった。

 

 

WiiU発売直後に使うようになったネスにX時代に使っていたリュカを加てダブルメインとしてオフ大会に参加するようになり、基本的な操作精度はさらに高くなった。が、一時期諸事情によりスマブラはおろかWiiUそのものから離れ(動画は見ていたが)、少ししてから3DS版でネス窓に加入してちまちまとスマブラをしたが、他キャラでまったりする時間がXの頃以上に増えた。そうしているうちに受験がせまり、ゲームから離れた。

 

 

 

受験している間にスマブラSPが発売。その数ヶ月後なんだかんだで大学には入学。お金がないこともあってスマブラとSwitchの購入を見送り、Proコンだけ購入しオフライン対戦会に行こうと画策した。最初は前作までの経験値もあり、大量に増えた新規勢には勝っていた。

 

 

スマブラSPが発売されて1年以上たった2020年、迷いに迷って SwitchListとスマブラ(とマリオカート。むしろスマブラがついで)を購入。キャラ出しをした後灯火の星で遊んでいた。(マリオカートの方がやってる)

 

 

2月10日、初めてオンライン対戦に潜る。とくにVIPを目指すという意気込みはなく、自分の撃墜択の割合を調べるためと「対人戦は楽しいから」という理由で潜り始めた。発売初期は新規勢には勝っていたはずだったが、「VIPも十分強い」と言われるようになっていたこの頃にはそんなこともなく、なんなら最初の10戦は2勝8敗で、世界戦闘力は20万に着地した。

 

 

対戦をしているうちに「ゲームシステムに慣れていない」ことに気がついた。仕様変更で反転空後は出しづらくなり、空中回避は1回だけな上後隙は凄まじい長さなど、さまざまな仕様変更に対応できていないことが気づいた。それ以降、仕様変更に対して意識的に操作した。30戦を超える頃にはおおよそ慣れ、10戦単位の勝率も8割9割で戦闘力200万から400万まで駆け抜け、73戦目に500万を初めて達成した。

 

 

500万を超えてからは壁に当たったように勝率が5割前後となり戦闘力の上昇は一度停滞した。この頃には「操作精度の差で勝ちを拾う」ことが難しくなった。また、操作に慣れているプレイヤーが増え、forからSPになって全体の機動力と技の隙の短縮に伴うゲームスピードの高速化についていくのが難しくなった。とにかく技を振り回してくる相手に反撃を取れずに押し切られることや、素早い攻めに目を回して回避をしたところを読まれたりして負けることが増えた。同時にforネスの超強力な空上に頼っていた立ち回りを改革する必要を感じた。

 

 

500万を達成してからというもの、別ゲーとYouTube閲覧に時間を割くことが増え、3ヶ月以上スマブラをしない日々が続いた。久しぶりにスマブラをすると慣れてきた感覚は失われ、負けが続いた。ある試合は移動回避で崖に捕まるのを失敗しては狩られ、届かずに落下し、またある試合は回避に大技を当てられて撃墜される。終いには300万を割るにまで至った。が、感覚を取り戻してからはむしろ以前より勝つになり、300万を割った123戦目からちょうど20戦後の143戦目に初めて600万を超えた。

 

 

これ以降はXの頃には遠く及ばないものの、定期的にスマブラをするようになった。戦闘力の方は「慣れているキャラ、相性的に有利だと思われるに当たれば勝ちそうでなければ負ける」というわかりやすいもので、戦闘力は安定しなかった。連敗して500万を割ることもあれば700万に肉薄することもある。こ特にネスはこれと言ってコンボがなく、いわゆる「強キャラ」ほど立ち回りが強いわけでもないため火力差でじりじり離されて負けることが多かった。(有名なサイマグコンボを練習したものの使い道がわからなかった)

 

 

使い手の数に偏りがあるとはいえこのゲームには80ものキャラがいる。「このキャラに勝てるけどあのキャラには負ける」なんて言っていてはいつまで経っても終わらない。この戦闘力帯に露骨に操作精度に欠ける人はそうそういない。そうして考えついたのが「立ち回りを強化する」というものだった。

 

 

「立ち回り」と言ってもネスでは上位キャラにどうしても立ち回りでは不利になってしまう。ならば「スマブラとしての根本的な立ち回り」で勝とうと思った。初めはもちろん大した効果はなかった。

 

あるときは飛び道具の弾幕に近づけずに削り殺され、

 

あるときは機動力のあるキャラに押し切られ、

 

あるときは強キャラの「強キャラたる由縁」を見せつけられた。

 

 

それでも楽しかった。楽しかったから続けた。楽しかったからやめなかった。

 

弾幕に「どうすんだこれ!」と絶叫しても、

 

脚チョン族に「どうすんだこれ!」と絶叫しても、

 

ガクガクのゲキ重マッチングしても、

 

友人に夜通しボコボコにされても(8勝172敗)。

 

 

振り返ってみるとXのボスバトルは一度も踏破できなかったけど楽しかったから挑戦し続けた。

forのオフ大会は予選で一度も勝ったことがなかった。それでも楽しいからまた行こうと思った。

楽しいから何度もやろうと思った。

思い返せば「VIPを目指そう」なんて目標も一度も掲げていなかった。相変わらず撃墜択の割合メモだけは取っていた。これも楽しいから取っていた。(同じネス使いに突っ込まれるくらい空後に偏重していた。頭返せ)

 

 

そうして3ヶ月もスマブラをしていなかった期間はなんだったのやら、スマブラを楽しんでオンライン対戦をしていると、10月4日、通算211戦目にして、目標として一度も掲げることはなかったが、スマブラーの一つの到達点として存在する「VIP入り」を果たしていた。

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試合後の世界戦闘力の推移

 

 

 

振り返り

こうしてVIP入りを果たしたわけだが、ここからは練習方法とか、考えたものを書いていこうと思うので、よければ参考にしていただければ。

 

「楽しさ」は最強のモチベーション?

結論からいうと私は

 

「楽しさ」は最強のモチベーションだが不安定である

 

と思う。

 

VIPに入るまでに試行錯誤した私だが、どれをとっても「頑張った」とは思わない。なにしろとにかく「楽しかった」からだ。私に取って「頑張る」とは何かを我慢して行うことだ。好きなことを我慢して「頑張る」。嫌なことを堪えて「頑張る」。物理的にも、精神的にも。

私に取ってスマブラは何かを我慢するものではなかった。スマブラをすることそのものが目的であり、ラグかろうがガン待ちされようがボッコボコにされようがスマブラが楽しかった。

 

 

人間楽しければ無限にできてしまうものである。「好きだからできるやろ?」なんていう横暴がまかり通る程度には。故に「楽しさ」は最強のモチベーションであるなんて思ってしまうが、そんなことはないと思う。「楽しいからやる」というのは立派なモチベーションだとは思うが、それだけでは「続ける」ことが難しいと思うのだ。

 

そもそも楽しいだけで続けられるなら私はスマブラをしてない期間が3ヶ月もないのである。今の世の中娯楽は山ほどある。家を出ずともスマホを付ければ動画やら電子書籍やらネットサーフィンやらで様々な娯楽を得られる。「朝ごはん前にスマブラはしないけどスマホは見る」なんて人も多いだろう。それほどに娯楽を「得やすい」世の中で「楽しい」だけで続けることは難しいだろう。

 

故に「楽しい」は最強のモチベーションではないと思う。

 

とは言え「楽しい」と思えることは既存のモチベーションの支えにはなると思うので、明確な目標を定めつつ、その道中を楽しめると最強なんじゃないだろうか。

 

 

 

上達するために私がやった、やっていること

とにかくやること、というのはまぁ当然の話である。よくゲームでも運動でも「やってりゃだれでもできる」なんてたまに聞くがそういうことである。わかりやすい話だと「部活動してる人はその競技についてしてない人より上手いよね」って話である。

 

問題なのはその「とにかくやる」の効率の問題である。やってもやってもなかなか上達しない人もいれば、一発で「やってみたら出来た」なんていう人もいる。私は自分で言うのもなんだが、運動やゲームを含めた多くの物事についてこの「やって上達する効率」が良い人間だと思っている。そこで私なりに考えた効率の良い上達方法を書くので参考にしてみて欲しい。

 

・意識して動作をすること

人間自分が思っているほど体を思った通りに扱えていないもので、それを矯正すべく意識的に動作をする。よくあるのが「なんとなくやったらできたけどなんとなくだからもう一回はできない」というパターン。意識的に行うことで「今回はうまくいかなかったからこうしよう」「今回はうまくいったからもう一度同じ動きをできるようにしよう」という目論見。自分の体を思った通りに扱えるように慣ればあとは見様見真似で同じ動きができるようになる。

 

スマブラで言うなら上記の体の部分がコントローラーに置き換わったイメージ。一回一回意識して動かすことで失敗する原因となる癖が付きづらいようにもする。僅かな差を自分で認識して少しずつ修正できれば私的には最高。



・見ることと頭に入れること
見ることはよくある「動画を参考にする」というと言う話である。私が反転空後を習得したのも、ダウン連やコンボを覚えたのも動画を見て真似をしたからだ。もちろん自分で探求するのも楽しいが、「効率」を求めるのであれば見て真似をするのが早い。

問題は「頭に入れること」だが、これは私に「頭に入っていない動きはできない」という考えがあるからだ。ワールドトリガーのとりまるもそう言ってた。ビジョンとして映像を丸ごと頭に入れても良いし、理論的な「こうしてこう動く」と言うものを頭に入れても良い。私自身はそれを併用して、動画を思い返しながら体(コントローラー)の動きを修正している。手元に動画があると言っても頭に入らなければ体は動画の動きを追従できないので、脳内再生できるまで頭に叩き込むのが良いと思う。

 

 

 

上手であることと強いこと

スマブラX、forを経ておおよその操作はできるようになった私は、初めからある程度「上手」ではあったのだろう。だが「勝てない」ということはすなわち「弱い」ということである。つまり「上手い」は「強い」ではないのではないか。

 

考えてみれば運動において「技術はあるけど根本的な運動性能はそこまで高くない人」が「技術はあまりないけど運動性能に秀でた人」に負けるのはよくある話である。雑に言えば、どれだけマリオカートのアイテムの使い方が上手くても根本的にTAのタイムが違い過ぎれば勝てないし、どれだけ技術があってもハチロクではNSXには勝てないと言う話である。

 

 

では、今回の状況を鑑みるにスマブラもそれと同じようなことが言えるのではないか?(私がそもそも技術もなかったと言う可能性もあるが)

 

ではスマブラにおける「根本的な運動性能」とはなんだ、と言う話であるが、これがいわゆる「スマブラ力」というやつなのではないだろうか。あるプレイヤーはDLCキャラでシールドキャンセル上スマで撃墜して「俺が上手いだけ」と言い、あるプレイヤーはリュウを使っても空後だけでひたすら撃墜していた。またあるプレイヤーは「やりたいことをしてるだけで相手を見れてない」、「択が偏っている」とアドバイスしていた(私にではない)。

 

3つ目に関しては若干違うような気もするが、極端な話「相手が右に行っているのに自分は左に行くなんてことをしていたら勝てるわけがない」「毎回同じ行動をしていればいずれ読まれる」ということであろう。これに関しては明確な練習方法は見つけておらず、私がやったのはひたすら「相手の動きを見てから動く」を繰り返しただけであった。

 

これだけでも例によって「やってりゃそれなりにできるようになること」ではあったようで、しばらくするとそれなりにできるようになっていた。もちろん意識的にやるようにはしていたが。効率の良い練習方法教えてください。

 

「コンボはできるけどなんか勝てない」という人はやってみてはどうだろうか。

 

 

こうして私は「強く」なったわけだが、何度か書いたように、私はVIPを目指していたわけではない。しかし「強く」なろうとはした。なにやら矛盾しているように見えるが、「勝つこと」が目的なのか「上達し、強くなること」が目的なのかと言う話である。

 

forからなんどかオフ大会に参加したり、オンラインでVIPに至るまで戦っていたわけだが正直な話そこまで「勝ち負け」にこだわったことはほとんどない。ここで書いたスマブラにしろ、レート戦に潜り続けたドラクエモンスターズにしろTAを走り込んだマリオカートにしろ部活でやっていた陸上競技にしろ

 

「自分が過去の自分より上達していること」

 

がすでに楽しいのであり、「勝ち負け」は結果でしかないのだ。勝ち負けの駆け引きを演じるのが楽しいのだ。その駆け引きを演じるためのレベルに身を置くのが楽しいのだ。上達していると感じられなくても上達するためにはどうすれば良いかを考えるのが楽しいのだ。受験勉強では「結果に一喜一憂するな」なんて言われたりしたが、1戦1戦の勝ち負けに一喜一憂する暇があれば「どうすればより良くなるか」を考えた。駆け引きを演じるのが楽しいのであってその勝ち負けはそこまで気にしていないのだ。例えるなら「勝ちに一喜して負けに一喜する」のだ。

 

そうして階段を一段一段踏み締めるように全てを楽しんできた私は、いつの間にか211戦という道を歩き、VIPマッチの壁を超えていたのだった。

 

 

 

まとめると

・頭を使って体を動かせなんとなくで動くな

・それっぽいコンボばかりじゃなくて相手に対応することを忘れるな

・勝ち負けだけに拘らずもっといろいろなことを楽しめ

・ただし目標は定めた方が良い

と言ったところ。

 

 

なんかとっ散らかって話がまとまってないような気がするけど私の文章力ではこれ以上どうにもできない。

 

オマケに私の211戦のダイジェスト的な動画を作って貼っておくので時間がある方は見たり聞いたりしてくれると私が喜びます。それでは。

 

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